FUN Advent Calender 2023 22日目の記事です(大遅刻しました)
箇条書きで概要をまとめた簡単なものですが、サーバー運営の代表(私)の学籍があるうちに記録として残しておきます。
※この記事には関係する個人や教員等の名前を直接特定できる情報は含んでいません。
※特に現在進行形のプロジェクトに関しては、諸事上により内容をぼかして書いてある or 内容そのものについて触れていないものがあります。
FUN Minecraft Serverとは
@fun.ac.jpのメールアドレスを持つ公立はこだて未来大学関係者なら、24時間いつでも入室できる大学公認のMinecraftマルチプレイサーバー(最大同接可能人数は100人)
現在、Discord鯖には学内関係者が128ユーザーいる。
サーバー設立の経緯
2021年12月にkotambourineのツイートをsyurenuko(私)が見たのがきっかけ。
マイクラの鯖立てたいなあ
— こた (@kotambourine) 2021年12月4日
当時、マルチプレイサーバーを立ち上げる場合、運営方針や高額なサーバー代の捻出などをどうしていくかが大きな課題だった。
そこで、マルチプレイサーバーという性質上、大学の多くの人間が関わることから、大学公認のプロジェクトにし、公式サーバーとして鯖立てした方が良いのではと考える。
翌年、2022年3月に
- 当時、FacebookがMetaに社名変更するなどメタバースが大きな話題となり、仮想空間に対する需要拡大の背景があった
- 当時、コロナ禍でオンラインでの交流方法が模索されていた背景があった
- Minecraftをベースにした教育や機械学習に関する研究が複数存在した
- 大学の公式サーバーの国内事例はほとんど無かったが、海外大の事例だと複数あり、学術的価値となる前例が存在した
- サーバーの維持やミュニティの活性化など、Minecraftサーバー自体を本格的に科学、研究する分野が明確に存在しないことから新規性があった
- すでに2021年度の学内の卒研テーマにMinecraftに関する研究があったり、翌年度の卒研テーマにもあったことから、サーバーの必要性が既に見込めた
- 本学が情報系の単科大学ということもあり、ゲーム用PCとjava版Minecraftアカウントの所持率が高く、少なくとも全学生(約1100人)の5%〜10%はログインすることが事前調査から見込めた
等の理由から、学内横断型のマルチプレイサーバーは需要があると確信。
大学公認のプロジェクトにするため、syurenukoが代表となって複数の学生と教員に協力を呼びかける。
また、学生が比較的自由に触れることができる24時間稼働のサーバーの存在は、サーバー周りのGeekや有識者を呼び込む機会として機能し、学内の技術コミュニティの活性化にも繋がることも副次的なメリットとして期待された。
2022年度
2022年4月
- kotambourine(当時B4)、たつお(当時B4)とサーバーの技術選定や費用の見積もりを行う
- 複数人の有志からアドバイザーとして技術的なアドバイスをもらう
- 2022年度の研究予算としてサーバー代の費用が出ることが正式に決まる
- ”FUN”の名称を使ってよいか大学側の許可を得る
- FUN関係者しか入れないように、Discord等を活用したサーバーに入室するまでのフローを決定する
- β版の試験的なサーバーを開始。人数を限定した状態でプレイしてもらう
- 必要な機能や今後の方針などを関係各所と話合う
- Dynmap(地図プラグイン)の導入
2022年7月
- 正式版ワールドをスタート
- β版からサーバーのスペックを大幅に増強
2022年10月
- 2022年度の卒研生と研究について連携
- オープンラボでMinecraftサーバーを実際に活用している研究室事例を紹介
2023年1月
- メンテナンスのためにサーバーを一時的に休止
- 当時、少人数で運営していたことや運営メンバーの研究や就活が立て続いて手付かずになっている部分が増えてきたことから、人数的な限界を感じ始める
2023年度
2023年4月
- 2022年度の研究予算としてサーバー代の費用が出ることが正式に決まる
- サーバースペック等の見直しを行う
- Mariners ConferenceのLT会で宣伝を行った際に、サーバー構築が趣味であるKabashima(B3)と出会い、運営メンバーに引き入れる
2023年5月
- M2でMinecraftに関係した研究をしていて、1万時間超えプレーヤーでもあるkoya328(M2)を運営メンバーに引き入れる
- MCA Selectorを用いた負荷エリアを特定する手法の確立
2023年7月
- サーバー構築が趣味である(高校時代にProxmoxのクラスター管理を行っていたらしい)Accord(B1)を運営メンバーに引き入れる
- 旧ワールド(2022年ワールド)に加えて、新ワールド(2023年ワールド)と資源ワールドをサーバーに新規追加
- Multiverseを用いることでシード値が異なる3ワールドの相互行き来を実現
- Discord SRVを用いたDiscord鯖との連携
- 入室履歴・実績解除・チャットのリアルタイム反映
- 予期せぬデータ破損や"荒らし"への事前対策
- DriveBackupV2を用いたワールドデータのバックアップ(約90分に1回)
- サーバーのモニタリング体制の強化
- セキュリティ面での更なる強化で、認証フローをもう1段階増やす
- LuckParmsを用いたWebGUIによる権限管理の整備
- 速度向上の目的からSpigotからPaperに変更
2023年8月
- 未来大×企業エンジニア 夏のLT大会で「FUN Minecraft Serverを支える技術」をLT発表
2023年9月
- 日本教育工学会で学会発表
- 教育的価値の側面からどのような進展が見込めるのかを意見交換
2023年10月
- CoreProtect を用いたサーバー内のログ収集強化
- GPTを組み込んだ対話型Botとサーバーの連携
- オープンラボでMinecraftサーバーを実際に活用している研究室事例を紹介
2023年11月
- "maikura.fun"のドメイン取得とアドレスの割り当て
- サーバーログ活用のためのRAG検索ツールの開発
- オンプレサーバー移行に向けて関係者とネットワーク周りの協議
2023年12月
今後の予定
- オンプレサーバーへの移行&サーバーの仮想化
- データベース周りの整備
- 取得可能なデータを増やす
- 回路サーバーやModサーバーの新規実装
- Discord鯖との連携拡充・機能追加
- 長期的な学内コミュニティ形成に向けた施策
- Webサイトの立ち上げ・知見の共有
- 運営メンバーと技術的なアドバイザーのさらなる拡充
- 国際誌に論文提出
- Minecraftに関するコミュニティへの積極的な参加・活動